神経管閉鎖障害の赤ちゃんを妊娠したことがある女性が内服するのがフォリアミンです。
フォリアミンという葉酸の処方薬があります。
なんだかんだ言って葉酸サプリはけっこうな値段がします。処方薬なら安くすみます。
神経管閉鎖障害の予防に病院でフォリアミンを処方してもらうことは可能でしょうか?
フォリアミンとは
フォリアミンはモノグルタミン酸型葉酸が1錠に5mg含まれています。
神経管閉鎖障害の予防に推奨されている量はは1日0.4mgなので、それよりかなり量が多いです。
効能はこのようになっています。
- 葉酸欠乏症の予防及び治療
- 葉酸の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦等)
- 吸収不全症候群(スプルー等)
- 悪性貧血の補助療法
- 次の疾患のうち、葉酸の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合●栄養性貧血●妊娠性貧血●小児貧血●抗けいれん剤、抗マラリア剤投与に起因する貧血
- アルコール中毒及び肝疾患に関連する大赤血球性貧血
- 再生不良性貧血
- 顆粒球減少症
妊娠中に処方することも可能ですね。ただし、神経管閉鎖障害の予防というのは効能には書いてありません。
副作用は
- 過敏症:頻度不明 紅斑、そう痒感、全身けん怠等
- 消化器:頻度不明 食欲不振、悪心等
- その他:頻度不明 浮腫、体重減少
となっていますが、「本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない」そうです。
1錠9.6円です。処方薬なので保険も効きます。
だだし、厚生省の通知では、神経管閉鎖障害の予防の際には「葉酸摂取量は1日あたり1mgを超えるべきではないことを必ず合わせて情報提供する」となっているので、神経管閉鎖障害の予防としては処方してもらえないことが多いと思います。
神経管閉鎖障害の再発の予防
「神経管閉鎖障害の予防としては処方してもらえないことが多いと思います」と書きましたが、正確に言うと「今まで神経管閉鎖障害の子供を妊娠したことのない人に、神経管閉鎖障害の予防としては処方してもらえないことが多いと思います」です。
以前に、二分脊椎などの神経管閉鎖障害の子供を妊娠したことがある人には、次の妊娠の時に、予防のためにフォリアミンを使います。
神経管閉鎖障害の子供を妊娠した人が、次の妊娠も神経管閉鎖障害になる確率は、2~5%と言われています。リスクが10倍以上になるということです。
このような人には、妊娠前から4mgの葉酸を取ることが勧められていて、そうすると神経管閉鎖障害の再発のリスクが70~90%減ると言われています。
4mgの葉酸を取ろうとすると、市販のサプリでは、他のビタミンなどの成分が取りすぎになることが心配です。なので日本では葉酸だけが5mg入っているフォリアミンが使われます。
また、3親等以内に神経管閉鎖障害の人がいる場合はハイリスクなので、フォリアミンを内服した方がいいと考えられます。
まとめ
フォリアミンは、
- 厚生省が、葉酸摂取量は1日あたり1mgを超えるべきではないと通知している
- 神経管閉鎖障害の予防というのは効能書きには入っていない
ということからすると、一般的な神経管閉鎖障害の予防としては処方しにくいと考えられます。
一度、神経管閉鎖障害の子供を妊娠したことがある人は、妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までフォリアミンを内服することが勧められています。そのような人は、次の妊活を始めた時点で産婦人科を受診して、フォリアミンを処方してもらってください。