できてしまった妊娠線、消すことは難しいけど、薄くすることはできるかも
妊娠中にクリームなどを使ったとしても、妊娠線ができてしまうこともあります。
妊娠線は自然に消えることはあまりありません。できてしまった妊娠線を見て、消すことはできないのかと思う人も多いでしょう。
手軽にケアするのは難しいかもしれませんが、論文で効果があると言われている方法をご紹介します。
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クリームを使ってできてしまった妊娠線をケアするクリームはトレチノイン
妊娠線を薄くする効果が期待できる成分がトレチノインです。
ならば、妊娠中からトレチノインクリームを使えばいいと思うかもしれませんが、トレチノインには動物実験で胎児に奇形を起こす作用が報告されているので、妊娠中・妊娠する可能性のある女性には使ってはいけないことになっています。
なのでトレチノインは、できてしまった妊娠線のケアのために産後に使うことになります。
トレチノインの働き
トレチノインはビタミンAを変化させて、ビタミンAよりはるかに作用を強くさせたものです。
皮膚の細胞を増やす作用や、ダメージを受けたコラーゲンを修復する作用があるので、妊娠線を薄くする効果があると考えられます。
メラニン色素を外に出す作用もあるので、シミ・ニキビ・シワなどにも効果があると言われています。
トレチノインの実際の効果
お産の1週間後から3ヶ月間トレチノインクリームを使ったところ、20人中16人が中〜大きな効果を実感して、妊娠線の長さが20%、幅が23%小さくなったというデータがあります。
妊娠ではなく、肥満などによってできた皮膚線に使って、80%に効果がったという報告もあります。
時間がたって妊娠線が白くなってしまうと、効果が少なくなってしまうので、産後早めに始めることが大事です。
トレチノインの副作用
トレチノインは刺激性が強いので、皮膚が赤くなる・かゆみ・ヒリヒリ・皮がむけるなどの皮膚炎を起こして、その後シミになってしまうことがあります。
クリームに含まれているトレチノインの濃度が高いと副作用のリスクも高くなります。
0.25~0.1%のクリームが使われることが多いです。それより濃度が低いと効果も少なくなってしまします。
トレチノインを試してみたければ
トレチノインは医薬品なので、国内で市販されているクリームにトレチノインが配合されているものはありません。
皮膚科・美容皮膚科といったクリニックが、自分のクリニックで調剤して処方しています。お近くに処方してくれるクリニックがあるかはネットなどで調べてみてください。
海外医薬品の輸入通販サイトから手に入れる方法もありますが、おススメしません。特にトレチノインは副作用もあるので、どのくらいの濃度のものを使うかを含めて、医師の指示のもとに使いましょう。
レーザーによる治療
皮膚にレーザーを当てて刺激(軽いやけど)を与えることで、皮膚の再生やコラーゲンの修復を促進します。
レーザー治療は効果が高そうに思いますが、実際の効果は論文によって数%から75%とまちまちです。効果がある場合は、早めに出ることが多いのがメリットです。
クリニックによって費用は違うと思いますが、しっかり治療するには何十万円ということになると思います。
副作用として、シミができたりケロイドになることがあります。
レーザーにもいろいろな種類があるので、専門の先生のよく話を聞いた上で試してください。
知っておくべきこと
できてしまって妊娠線を完全に消すのは難しいです。
ご紹介したケアをしても、効果がないことも多いと思います。皮膚を刺激して皮膚の再生修復を促進することで妊娠線が薄くなるのを期待するので、刺激によって逆効果の副作用が出る可能性があります。
専門医の指示にしたがってケアをしてください。