着床しやすくするためにアシステッド・ハッチングをします
受精卵を着床しやすくするのがアシステッド・ハッチングです。
アシステッド・ハッチングの効果に関しては、まだ意見が分かれている状況です。
アシステッド・ハッチングとは
ハッチングというのは受精卵が透明帯という殻を破って外に出ることでしたね。殻が硬かったりして破れにくいと受精卵が着床できなくなります。
透明帯を人工的に薄くして破れやすくするのがアシステッド・ハッチングです。
アシステド・ハッチングの方法
透明帯を薄くする方法として
- 透明帯に強酸性の液体を吹き付けて溶かす。
- レーザーを当てて透明帯を蒸発させる。
というやり方があります。
レーザーの方が簡単に素早くできるのでレーザーを使ってる病院が多いと思います。
どういう場合にアシステッド・ハッチングをするか
すべての受精卵にアシステッド・ハッチングをしても、着床率・妊娠率が良くなるわけではありません。アシステッド・ハッチングの効果があるのはどういう時でしょうか。
凍結融解後
受精卵を凍結保存すると透明帯が硬くなってハッチングしにくくなる可能性があります。
溶かした受精卵にアシステッド・ハッチングをすると着床率・妊娠率が高くなるという報告も多いです(特に初期胚で凍結した場合)。
ただし、報告数がそれほど多いわけではないので本当に効果があるかはまだわかっていません。
3回以上胚移植をしても妊娠しない
良い受精卵を移植してもなかなか妊娠しない時にアシステッド・ハッチングをすると2.5倍くらい着床率・妊娠率が高まるという複数の論文をまとめたデーターがあります。しかしこのデーターに対しても症例数がまだ少ない、症例の背景がバラバラだなどの批判があります。
高年齢
40歳以上の場合、透明帯が硬くなってくることがあると言われています。
アシステッド・ハッチングをすることによって、ハッチングしやすくなることが期待できますが、もともとの卵質などの問題で着床率・妊娠率を高くする効果はないという報告が多いです。
アシステッド・ハッチングのリスク
アシステッド・ハッチングをした場合、自然妊娠と比べて一卵性の双子になる率が2~3倍になる可能性があります。
アシステッド・ハッチングをすることで、受精卵が分裂してしまって一卵性の双子になるのではないかと考えられています。
一卵性の双子は二卵性の双子よりも妊娠時や分娩時に赤ちゃんにトラブルが起きる可能性がかなり高くなります。
まとめ
アシステッド・ハッチングの効果が最も期待できるのは、良い受精卵を戻しても妊娠しない場合だと思います。
本来であれば失敗を繰り返す前に、アシステッド・ハッチングをした方がいいのかがわかった方がよいのですが、、、
まだアシステッド・ハッチングが本当に効果があるのかは証明されていないので、アシステッド・ハッチングは意味がないといっている人もいます。
効果は証明されていませんが、実際に多くの病院でアシステッド・ハッチングが行われているので、いずれ効果が確認されるのではないかと思います。