COVID-19ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する方へ 第2版
前回(令和3年1月27日)のお知らせから大きな変更はありませんが、コロナウイルスワクチン接種を推奨するニュアンスが強くなっています。
令和3年5月12日発表のお知らせ
全文はこちらからご覧になれます。
新しいお知らせをまとめると
- 大規模な接種を始めたイスラエルや英国では、新規感染者、重症者、 死亡者のすべてで激減している
- 現在わが国の接種では致命的な副作用は報告されていない
- 現時点では妊婦に対する接種について十分な情報がないが、流行拡大と妊婦の一部で重症化することから積極的に接種をすべきという考えが大勢を占めている
- 現時点で胎児や胎盤に毒性があるとかワクチン接種を受けた人が不妊になるといった報告はない
ということをふまえた上で
「現時点では世界的に接種のメリットがリスクを上回ると考えられる」
「妊娠12週まで(器官形成期)は、ワクチンのせいではない胎児異常と見分けがつかなくて混乱を招く恐れがあるため、ワクチン接種は避ける」
「なるべく接種前後に超音波で胎児心拍を確認する」
「感染リスクが高い医療従事者、保健介護従事者、 重症化リスクが高い肥満や糖尿病など基礎疾患を合併している場合は、ワクチン接種を積極的に考慮する」
と提言をしています。
赤いところが前回と変わっているところです。
前回より接種を推奨する感じが強くなっています。国内外でワクチン接種が進んで、状況がわかってきたからでしょう。
メリットがリスクを上回るという言葉は前回ありませんでした。
前回は、「器官形成期(妊娠12週まで)はワクチン接種を避ける」と書いてありました。器官形成期に接種して胎児に異常が出るのを防ぐというニュアンスが感じられました。今回は胎児に異常が出るのを防ぐというより、異常が出た時に混乱を招く恐れがあるからという理由になっています。
妊活中の女性については
「妊娠を希望される女性は、可能であれば妊娠する前に接種を受けるようにする。(生ワクチンではないので、接種後⻑期の避妊は必要ない。)」
と、前回と同じコメントです。
「中・ ⻑期的な副反応については、今後も情報を収集する必要があります。」ということから
最後には、前回と同じように
「患者さん一人一人の背景が違いますので、まずは産婦人科の主治医と十分にご相談ください。」
と結論しています。
まとめ
今回のお知らせは、産婦人科医の間でも、学会はワクチン接種の推奨を強めてきたと受け止められています。