ワクチンを打つメリットは
ワクチンというとリスクの方にに目が行きがちですが、ワクチンを打つメリットを知ることも大事です。妊娠中・妊活中に新型コロナウイルスワクチンを打つかどうか考える時にはワクチンの効果を理解しておきましょう。
ワクチンの有効性95%とは
「ファイザー社のワクチンは95%の有効性がある」と報告されています。
初めて聞いた時は、そんなに有効性が高いのかと思いました。
有効性95%とはどういうことでしょうか。
『100人が新型コロナウイするにさらされても、ワクチンを打っていると95人は感染しない』ということのように感じますが、ちょっと違います。
論文に発表されたファイザー社のワクチンのデータです。
プラセボ群(生理食塩水を打った群)は日々発症者が増えていくのに比べて、ワクチンを打った群で発症する人はわずかです。
2回目の摂取をしてから7日目以降に発症した人は、プラセボ群161人、ワクチン群8人でした。
ワクチンを打ったことで、161−8=153人が発症しなかった、すなわち95%の人が発症しなくてすんだということで、有効率が95%とされたのです。
確かに、このグラフを見るとインパクトがあります。
このグラフからわかることをまとめると
- ワクチンを打つと新型コロナウイルス感染の発症をおさえることができる。
- 120日(4ヶ月)後でも効果は続いている
- 効果が出るのは1回目の注射から12日目くらいから
といったところです。
こちらはモデルナ社のワクチンの効果のグラフです。
ファーザー社とほぼ同じ結果ですね。有効率は94%です。
インフルエンザのワクチンには、「ワクチンを打つと重症にならなくてすむ」というイメージを持っている人が多いと思います。ちなみにインフルエンザワクチン有効率はその年によって違いますが、50%から高くて90%です。
新型コロナウイルスワクチンの効果も重症化の予防だと思っている人がいるかもしれませんが、重症化の予防だけでなく症状が出るのを予防する効果も確認されてます。
ちなみにインフルエンザワクチンの有効率は、その年によって違いますが、50%から高くて90%です。
インプルエンザはいろいろな型・変異があるので、ワクチンの効果に限界があるのだと思います。新型コロナウイルスは今のところ変異が少なく、変異株にもワクチンの効果がありそうなので、有効率が非常に高くなっています。
重症化を予防する効果もあります
ファイザー社の臨床試験で重症化したのは、プラセボ群9人、ワクチン群1人で、89%の有効性でした。
モデルナ社の臨床試験で重症化したのは、プラセボ群30人、ワクチン群0人で、100%の有効性でした。
重症化する人が少なすぎる気がしますが、重症化予防についてもかなりの効果が出ています。
症状はないけどPCRは陽性という人の数も減るのか
ワクチンを打つと、新型コロナウイルスに感染して症状が出る人の数は劇的に少なくなります。
症状が出ていないけどPCRは陽性という人の数は減っているのでしょうか。
まだ、十分な解析はされていませんが、モデルナ社の論文では、ワクチンを打つと、症状が出ていないけどPCRは陽性という人が63%少なくなるというデータがあります。
まとめ
発表された新型コロナウイルスワクチンの有効性があまりにも高くて、本当なのかなと思ってしまいますが、プラセボを使ったちゃんとした臨床試験なので、信頼性は高いと思います。
妊婦での有効性のデータはありませんが、ファイザー社は2月18日から、およそ4000人の妊婦を対象にした臨床試験をアメリカなど複数の国で開始したと発表しています。