エンブリオロジスト・胚培養士ってどんな人たち?
体外受精を始めるとエンブリオロジストや胚培養士と名乗る人と出会うと思います。人工授精の時に会うかもしれません。
エンブリオロジスト・胚培養士は苦労して資格を取った人たちで、とても勉強熱心で、治療にかける意気込みも強いです。ある意味、医者よりも体外受精に関していろいろなことを知っています。
気になることがあったら質問してみると、多分、医者よりもわかりやすく説明してくれると思います。
エンブリオロジスト・胚培養士とはどういうものなのか解説します。
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エンブリオロジストとは
日本臨床エンブリオロジスト学会が認定する資格です。
- 大学院・大学・短期大学で生物学関連の科目を習得している
- 専門学校を卒業し、臨床検査技師または正看護師の資格を取得した
- 1年以上体外受精の業務に従事している
- 胚凍結・顕微授精を最低30症例以上経験している
- 最近3年以内に日本臨床エンブリオロジスト学会の主催するワークショップを2回以上受ける
などが受験資格になります。
年1回実施される筆記試験と面接試験に合格すると資格がもらえます。
試験の時には、自分がした胚凍結・顕微授精を録画したDVDを提出して、それも審査の対象になります。
5年ごとに資格を更新する必要があって、更新するためには、生殖医学関連の学会に参加・発表しなければなりません。
生殖補助医療胚培養士
正式には生殖補助医療胚培養士です。
日本卵子学会が認定する資格です。
- 大学院・大学で生物学関連の科目を習得している
- 専門学校を卒業し、臨床検査技師または正看護師の資格を取得した
- 1年以上体外受精の業務に従事している
- 生殖補助医療を最低30症例以上経験している
- 最近1年以内に日本卵子学会の主催する講習会もしくは関連学会にを2回以上参加する
などが受験資格です。エンブリオロジストとほぼ同じです。
年1回実施される筆記試験と面接試験に合格すると資格がもらえます。胚培養士には今のところDVDの審査はありません。
5年ごとに資格を更新する必要があって、更新するためには、日本卵子学会が主催する講習会あるいは関連する学会に参加・発表、「倫理」に該当する講習の参加が必要です。
エンブリオロジストと胚培養士、どこが違うの?
実際問題、とくにこのふたつに大きな違いはないと思います。
認定する学会の違いです。なぜ同じような資格を別々の学会が認定しているのでしょうか?
ふたつの学会が対立していてひとつにまとまらない?なんていう話も耳にします。
卵子学会はもともと基礎的な学会で農学部などからの参加者も多くて、マウスの研究などの発表もあります。エンブリオロジスト学会は臨床的な学会ですね。
エンブリオロジストや胚培養士の資格を取るのは、医者もいますが、農学部などで卵子の研究をしていた人や検査技師の資格を持っている人が多いです。
大まかにいうと、農学部系の出身者は卵子学会の胚培養士、検査技師の人はエンブリオロジストの資格を取る感じです。
まとめ
エンブリオロジスト・胚培養士が卵子と精子を受精させて、受精卵を育てています。受精卵の状態とその後の妊娠について一番よくわかっています。真面目に勉強している人が多く、関わった人が妊娠できた時にはとても喜んでいます。
知識も豊富なので、医者とは違った立場からアドバイスしてくれると思います。
気になることがあったら、エンブリオロジスト・胚培養士に質問してみてください。