当サイトのおすすめ葉酸サプリ、プレミンは妊娠16週から葉酸の量を減らしています
プレミンは3部作としてリニューアルされました。妊娠16週からは「プレミン16w」です。
妊娠15週までの「プレミン」には、厚生労働省が推奨しているモノグルタミン酸型葉酸が400μg入っています。「プレミン16w」は、食事性葉酸(ポリグルタミン酸型葉酸)が250μgです。
厚生労働省が葉酸サプリを飲むのを推奨しているのは、妊娠3ヶ月(12週)くらいまでです。
葉酸サプリを飲む目的は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の予防ですが、妊娠2ヶ月の終わりには神経管の閉鎖は完了しています。ですので、それ以降は神経管閉鎖障害を予防する必要はなくなります。
ただし、葉酸は胎児の発育に重要な栄養素です。妊娠中は普段より240μg多くの食事性葉酸を取ることが推奨されています。
「プレミン16w」はそれに基づいて、食事性葉酸が250μg入っているのです。
では、お産まで通常の葉酸サプリを飲み続けているとよくないことがあるのでしょうか。
今回は、時々見かける、妊娠中の葉酸サプリと生まれたこどものアレルギーの関係をまとめた論文をご紹介します。
アレルギー体質のこどもが増えているのは、食品に葉酸が添加されたのが関係している?
特に先進国で、アレルギーのこどもが増えているのが問題になっています。
アレルギーのこどもが増えている理由ははっきりわかっていません。
食生活の変化、住環境の変化、大気汚染などによる環境の悪化、などが理由として考えられています。
日本のリウマチ・アレルギー対策委員会の報告では、平成17年には「我が国全人口の約3人に1人が何らかのアレルギー罹患していることを示している」とされていたのが、平成23年には「我が国全人口の約2人に1人が何らかのアレルギー罹患していることを示しており、急速に増加している」になりました。
オーストラリアのデータでは、1998年から1999年に食品に対する重症のアレルギーで入院が必要になった0〜4歳のこどもは、10万人あたり7.3人だったのが、年々増えて、2011年から2012年では10万人あたり30.3人になっています。
オーストラリアで妊娠する人に葉酸摂取が勧められるようになった1992年以後に生まれたこども達に、アレルギーが多くなっているというのです。ただし、実際に葉酸とアレルギーの関係が証明されているわけではありません。
葉酸とアレルギーの関係
葉酸は遺伝子のメチル化を進める働きがあるというお話は他の記事でもしました。遺伝子ががメチル化されるとその遺伝子の働きが変わります。
2008年に発表された動物実験の論文では、妊娠マウスに葉酸を与えると、アレルギーに関係する遺伝子がメチル化されることによって、こどもがぜんそくなどの呼吸系のアレルギーになると報告されました。
この論文が、葉酸サプリとこどものアレルギーの関係を調べた論文ではよく引用されていました。
ところが、この論文は2016年に、データが不正確だったということで撤回されてしまいました。
論文が撤回されたからといって、葉酸によるメチル化とこどものアレルギーの関係が否定されたわけではありませんが、根拠はなくなってしまいました。
では、実際に葉酸サプリをお産まで飲んでいると、アレルギーのこどもは増えるのか
2008年のイギリスの約5000人を調べた研究では、妊娠後期まで葉酸サプリを飲んでいても、生まれたこどもがアトピーになる割合は高くならないと報告しています。
2009年のノルウェーの約3万人を調べた研究では、葉酸サプリを妊娠12週まで飲んでいた人とお産まで飲んでいた人で、こどものアレルギーに差がなかったと報告しています。
2012年のオーストラリアの約600人を調べた研究では、お産まで葉酸サプリを飲んでいると、生まれたこどもが12ヶ月になるまでに湿疹が出る割合が高くなると報告しています。
以上のように結論はバラバラです。
葉酸をいつからいつまで飲んでいたか、他のサプリを使っていたか、というところまで深く解析されていないので、確実な結論には至っていません。
結論がバラバラなので、今のところ妊娠中の葉酸サプリと生まれたこどものアレルギーは関係がなさそうということになるかと思います。
葉酸サプリはお産まで飲んだ方がよいのか?よくないのか?
葉酸サプリの目的は、神経管閉鎖障害の予防です。
ただし、妊娠中には赤ちゃんの発育のために葉酸の必要量が増えるので、神経管が閉鎖した後も葉酸を多く取ることを心がける必要があります。
そのためには、「プレミン16w」の食事性葉酸250μgで十分量と考えられています。
より多くの葉酸が入っている通常の葉酸サプリをお産まで飲むことに関しては、今のところ、よいこと・よくないことのどちらも、明らかなものはないということになります。