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葉酸サプリを飲んでいると生まれた子供が「ぜんそく」になりやすいというのは本当なのか調べてみました

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葉酸サプリの問題点として言われている子供のぜんそくへの影響

 どんな薬でも合わなくてアレルギーを起こすことはありますが、葉酸サプリだけの副作用というのはほとんどありません。ただし、妊娠中に葉酸サプリを飲んでいると、生まれた子供がぜんそくになる可能性が高くなるという研究がいくつかあって、本当なのか意見が分かれている状況です。

 実際にどうなのか、いろいろ調べてみたので解説します。

そもそもなぜ葉酸がぜんそくと関係あるのか

 葉酸とぜんそくってあまり関係がなさそうですよね。動物実験のデータから葉酸のぜんそくへの影響が説明されているのですが、ちょっと強引なこじつけという気もします。

 葉酸は遺伝子にメチル化という変化を起こすことがわかっています。メチル化によって遺伝子の働きが調節されています。マウスの実験では、えさに葉酸をたくさん入れると、免疫反応に関係する遺伝子のメチル化が変化して働きがおかしくなって、気管支が過敏になったり炎症を起こすことが確認されています。

 この葉酸による遺伝子のメチル化の変化で起きる免疫の異常が、ぜんそくの原因となっていると考えられているのです。

論文の結論はバラバラ

 妊娠中に葉酸サプリを飲むと、生まれた子供がぜんそくになりやすくなるかを調べた研究の結論はバラバラです。

 ひとつの病院でやった研究では症例数に限りがあるので、十分に信頼性のあるデータを出すのは難しいです。いくつかの研究をまとめて多くの症例を解析したデータが信頼性があると判断されています。

 葉酸とぜんそくの関係を、いくつかの研究をまとめて調べた研究を3つ確認できました。

 2013年と2014年に発表された2つの研究では、妊娠中に葉酸サプリを飲んでも生まれた子供にぜんそくが増えることはないと結論しています。

 2015年に発表された研究では、妊娠前から妊娠15週もしくはそれ以降まで葉酸サプリを飲むと、生まれた子供がぜんそくになる可能性が20%高くなると結論しています。

 信頼性があると思われる研究でも結論はバラバラです。

 葉酸サプリを飲む時期や量による影響を調べた研究もありますが、これもはっきりした結論は出ていません。

 妊娠後期まで飲むと良くないという研究もありますが、いくつかの研究をまとめて調べた3つの研究を見ると、妊娠後期まで飲むのが特に悪いということはなさそうです。

 量に関しても1日5mgだと、生まれた子供がぜんそくになる可能性が20%くらい高くなるという研究がありますが、今のところ量との関係もはっきりしていないと思います。

 その後の研究でも、喘息になる可能性は変わらない、かえって少なくなるという結果が出ています。

なぜ研究結果がこんにバラバラなのか

  • ぜんそくの診断基準や何歳の時点でぜんそくと診断しているかが違う
  • 飲んだ葉酸の量・期間がバラバラ
  • 葉酸サプリを自ら購入して飲む人と、飲まない人で生活習慣などが違う可能性

などがその理由として考えられます。

 正確な研究をするには、葉酸サプリを飲む人と飲まない人をランダムに分けて、飲む人は妊娠の同じ時期まで、同じ量を飲んで比較しなければなりません。まだ、そのような大規模の研究がないので結論は出せません。

まとめ

 論文を調べれば調べるほど、ごちゃごちゃしてわからなくなってしまいました。

 いくつかの研究をまとめて調べた3つの研究のうち2つは生まれた子供がのぜんそくには影響ないと結論しています。ぜんそくになる可能性が高くなるという結果の研究でも、高くなるのは20%くらいなので、それほど心配しなくても良いかと思います。

 これまでの多くの研究を見ると、どちらかといえば葉酸サプリと赤ちゃんのぜんそくは関係がないというのが優勢のようです

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