体外受精での妊娠を予測できるか100の項目を調べてみました
体外受精・顕微授精で妊娠できるかを予測する方法を調べた論文はたくさんあります。
このサイトでも年齢・子宮内膜の厚さ・受精卵のグレードなどについて解説しました。
100の項目について、体外受精・顕微授精での生児獲得率の予測が可能か調べた論文で、身長が生児獲得率と関係があったという論文があるのでご紹介します。
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100項目のうち生児獲得率と関係があったのは
5,699人の8,451回の体外受精を調べた研究です。
年齢
もちろん、年齢と生児獲得率に関連があります。
42-43歳だと生児獲得率は、5.6%でした。
今まで受けた胚移植の回数
胚移植しても妊娠しなかった回数が多くなると、生児獲得率は低くなっていきます。
7回目以上の治療の生児獲得率は、8.8%でした。
子宮内膜の厚さ
やはり、採卵日の子宮内膜と生児獲得率には関連があります。
子宮内膜の厚さが7mm未満だと生児獲得率が低くなります。ただし、7mm未満だとダメというわけでもありません。
卵巣反応指数
卵巣反応指数とは採卵した卵子の数と排卵誘発に使った注射の量から計算する指数です。
数字が大きくなると、注射が少なくて多く採卵できた、すなわち卵巣の反応が良いということになります。
単なる採卵数よりもこちらの方が生児獲得率を予測するのに役立つそうです。
このグラフの左上に入ると卵巣反応指数が1.85より大きくて、右下に入ると0.87より小さくなります。
卵巣反応指数が高いほど生児獲得率が高くなって、卵巣反応指数が0.86以下だと生児獲得率は17.8%です。
排卵誘発の注射の合計量は1500~2000単位くらいが多いと思います。そうすると卵子が10個以上取れないと、右下になってしまいますね。右下でも線に近い方なら生児獲得率はそんなに下がらないと思います。
身長
これまで、身長と生児獲得率の関係を示した論文はありませんでした。
身長が157~175cmの間に85%の人が含まれるのですが。この間では身長と生児獲得率が比例しています。この範囲以外の身長は数が少なくてバラツキが大きくなります。
身長が1cm高くなると、生児獲得率が約1%高くなるという関係のようです。
BMIと妊娠率に関連があるという論文はいくつかありました。身長が高い人は低い人と比べるとBMIが低い傾向にあると思われます。身長が高い人の生児獲得率が高いのは、BMIが低いからなのかもしれません。
しかし、この研究では身長の方がBMIよりも生児獲得率との関連が強いというデータでした。
身長に関しては、背が高いと2卵性の双子が多くなるという論文がいくつかあって、身長が174cm以上の人は、2卵性の双子を生む確率が1.8倍になるという論文があります。
まとめ
身長と生児獲得率に関連があるという初めての論文をご紹介しました。
なぜそうなるかという理由はよくわからないので、もっと症例数を増やした研究が必要です。