受精卵着床の環境を整えるのが黄体ホルモン
受精卵が子宮内膜に着くのが着床です。せっかく排卵して受精しても、子宮内膜の準備ができていないと着床しないので妊娠できません。
子宮内膜の準備ができているのか調べるのが黄体機能検査です。
黄体機能検査はいつなにをするの?
卵管の先っぽで受精した受精卵は5~7日かけて子宮の中にたどり着いて、7日目くらいに子宮内膜に着床します。
なので黄体機能検査は排卵してから(基礎体温が高くなってから)5~8日目くらいにします。
採血で黄体ホルモンと卵胞ホルモンを測ります。
黄体ホルモンとは
卵胞は排卵した後、下垂体からでるLHの働きで黄体になります。
排卵後にできた黄体から出るのが黄体ホルモンです。
黄体ホルモンは、卵胞ホルモンの力で厚くなった子宮内膜を受精卵がつきやすい状態にもっていきます。
花の種を植える時に、まず土を盛っていくのが卵胞ホルモンです。そこに肥料を加えて種が育ちやすくするのが黄体ホルモンです。
正常範囲
10以上が正常です。
採血のタイミングが違っているせいで10以下になっていることがあるので、基礎体温などでタイミングが合っているか確認してください。
低い時は
黄体機能不全という診断になります。
黄体ホルモンが少ない=肥料が少ないということなので、受精卵が育ちにくくなってしまいます。
低くなる原因はわからないことが多いので、原因を治す治療ではなく、黄体ホルモンの薬を使って、黄体ホルモンを追加します。
黄体ホルモンの薬
黄体ホルモンの飲み薬にはデュファストンなどがあります。排卵の後10~14日くらい内服します。
注射もあります。プロゲホルモンという注射を排卵後連日10~14日注射します。効き目が長いプロゲデポーという注射を排卵後に1回するやり方もあります。
他には、黄体を作る働きをしているLHというホルモンと同じ力を持つHCGという注射をして、黄体を元気にすることで黄体ホルモンを高める方法もあります。
タイミング療法や人工授精をしている時は、飲み薬で治療することが多いです。
その他の検査
卵胞ホルモン
黄体ホルモンといっしょに卵胞ホルモンも測ることが多いです。
正常範囲は100以上です。生理の時のする基礎ホルモン検査の正常範囲は30~80くらいでしたね。卵胞ホルモンは排卵からその後にかけて高くなります。
黄体機能検査の時には卵胞ホルモンも測るのですが、卵胞が大きくなって排卵していれば正常範囲のことが多く、低かったらどうするということも決まっていません。
子宮内膜日付診
子宮の中に棒みたいなものを入れて先で引っ掛けて子宮内膜を取る検査です。
取った子宮内膜を顕微鏡で調べて、実際に子宮内膜が着床しやすい状態に変化しているのか確認します。
検査が痛いのと、評価が難しいので、やっていない病院が多いと思います。
基礎体温
基礎体温も黄体機能を調べるのに役立ちます。
基礎体温の高温期が10日間以下の場合、もしくは高温期と低温期の差が0.3℃以下だと黄体ホルモンが少ない可能性があります。
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