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産婦人科専門医による妊活ガイド

妊活中の睡眠不足は妊娠しにくい原因になるかも【産婦人科医が解説】

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妊活中は男性もしっかり睡眠時間をとるようにしてください

 日本人の睡眠時間は、世界の中でも最短と言われています。また最近はさらに短くなってきているようです。

 男性の睡眠時間と妊娠しやすさの関係を調べた研究があるのでご紹介します。

日本人の睡眠時間

 2014年に経済協力開発機構が世界29カ国を対象に15~64歳の人の平均睡眠時間を調べた調査結果を発表しました。日本人の睡眠時間は平均7時間43分で世界29カ国の中で韓国に次いで2番目に短いという結果でした。

 心拍トレーニング製品などを販売するポラール・エレクトロ・ジャパン株式会社は2018年4月に、ユーザから得られた600万の睡眠データを分析した結果を発表しています。日本人の男女別平均睡眠時間は、男性が6時間30分、女性が6時間40分で、それぞれデータを分析した主要28カ国のなかでもっとも短いという結果でした。

 

 平成27年の厚生労働省のデータです。赤枠で囲った1日の平均睡眠時間が6時間以下の人の割合は、40%くらいになっています。


 平均睡眠時間が6時間未満の人の割合が、最近増えてきていることがわかります。

睡眠時間と健康

 アメリカの睡眠医療の学術団体が発表した、睡眠と健康に関する資料です。

 睡眠医学のエキスパートたちが、論文の結果などをもとに、それぞれの健康項目について、どのくらいの睡眠時間がよいのか投票した結果です。

 7時間から9時間の睡眠が健康によいと考えられています。睡眠時間が6時間以下は健康によくありません。

 睡眠時間が長すぎるのもよくないと言われていて、特に寿命に関しては、睡眠時間が短くても長くても良くないという研究結果が出ています。どのくらい短い・長いとよくないかということは、はっきり結論が出ていませんが、7~8時間がよいと言われています。

睡眠と精液検査の関連

 睡眠と精液検査の関連を調べた研究は多くありません。

 2013年のデンマークの研究では、睡眠に関するアンケートの結果から睡眠スコアというの計算して、睡眠スコアと精液検査の関連を調べています。

 睡眠スコアが悪い人は、中位の人と比べると、精子数が30%くらい少なかったです。睡眠スコアがよすぎる人も18%精子数が少なくなっています。よって、睡眠状態が悪すぎても良すぎてもよくないと結論しています。

 2016年の中国の研究では、睡眠時間と精液検査の関連を調べています。

 睡眠時間が7~7.5時間の人が一番精子の数が多く、6.5時間以下だと26%少なくなり、9時間以上だと39%少なくなっています。こちらも、睡眠時間が長すぎても短すぎてもよくないという結論です。

男性の睡眠時間と妊娠のしやすさ

 男性の睡眠時間と妊娠しやすさの関連を調べた研究が、2018年3月の「ファーティリティ アンド ステリリティ」に発表されました。

 1回の排卵での妊娠しやすさを比べています。

 睡眠時間が6~8時間の人と比べると、睡眠時間が6時間未満の人は妊娠しやすさが38%少なくなっていました。睡眠時間が9時間以上の人は妊娠しやすさが27%少なくなっていました。

 男性の睡眠時間が少ないと、妊娠しやすさが低くなると結論しています。

ちゃんと睡眠時間をとっていますか?

 20歳から50歳までの日本人男性で、平均睡眠時間が6時間以下の人の割合は40%を超えています。

 睡眠時間が6時間以下だと、精子の数が少なくなったり、妊娠しにくくなるという研究結果をご紹介しました。

 また、睡眠時間が6時間以下だと、妊活によくないだけでなく、健康にもよくないことが明らかになっています。

 妊活を始めたのを機会に、睡眠時間を7~9時間にしましょう。

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