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凍結胚移植で妊娠した人と新鮮胚移植で人は妊娠中の合併症のリスクに違いがあるでしょうか

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凍結胚移植で妊娠した人の方が妊娠中の合併症のリスクが少ない?

 体外受精・顕微受精で妊娠した人は妊娠中や出産時の異常が多くなることをこちらで解説しました。

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 体外受精の中でも、新鮮胚移植と凍結胚移植で合併症のリスクに差があるようです。

 31個の論文をまとめた研究をご紹介します。

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妊娠に関連する合併症のリスク

合併症 リスクの違い 
妊娠高血圧症候群 凍結胚移植の方が1.4倍多い
 妊娠糖尿病  差はなし
産後出血   凍結胚移植の方が1.3倍多い
 前置胎盤 新鮮胚移植の方が1.3倍多い 
常位胎盤早期剥離 新鮮胚移植の方が1.6倍多い 
前期破水 差はなし

分娩(赤ちゃん)に関連する合併症のリスク

合併症 リスクの違い 
低出生体重(2500g未満) 新鮮胚移植の方が1.3倍多い
極低出生体重児(1500g未満) 新鮮胚移植の方が1.3倍多い
早産 差はなし
妊娠32週以前の早産 新鮮胚移植の方が1.2倍多い 
生まれた赤ちゃんの体重が重い 凍結胚移植の方が1.6倍多い 

まとめると

凍結胚移植の方がいいこと

  • 前置胎盤が少ない
  • 常位胎盤早期剥離が少ない
  • 低出生体重児が少ない
  • 妊娠32週以前の早産が少ない

新鮮胚移植の方がいいこと

  • 妊娠高血圧症候群が少ない
  • 産後出血が少ない
  • 大きすぎる赤ちゃんが少ない

なぜ新鮮胚移植と凍結胚移植で合併症のリスクに違いがあるのでしょうか?

 その理由については、はっきりわかっているわけではありませんが、いくつかの説があります。

 新鮮胚移植の時は、直前に強い排卵誘発して、複数の卵胞ができるため、血液の卵胞ホルモンが異常に高くなってしまいます。

凍結胚移植はメリットがいっぱい

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 これが子宮内膜に影響して、妊娠に関する合併症の原因となっている可能性があります。

 新鮮胚移植の方が胎盤の異常が多いのはこの辺が影響しているのかもしれません。

 また、排卵誘発の刺激によって、卵胞ホルモンだけでなく、血管内皮増殖因子などの物質が変化することが、妊娠合併症に影響しているという説もあります。

 受精卵を凍結したり溶かしたりすることが、受精卵に影響する可能性もあります。凍結胚移植で、大きい赤ちゃんが多いことの理由ではないかと考えられています。

どう理解すればいいの?

 理由がはっきりわかっているわけではありませんが、同じような結果の論文が多いので、新鮮胚移植と凍結胚移植で、妊娠した時の合併症に違いがあるようです。

 とはいえ、違いはそれ程大きくないので、あまり気にしなくてもよいかと思います。

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