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産婦人科専門医による妊活ガイド

子宮筋腫の治療法で再治療が必要になる可能性が高いのは【産婦人科医が解説】

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子宮筋腫は一度治療してもまたできてくることがあります

 妊活をする年齢の女性の20~40%に症状を引き起こすような子宮筋腫があると言われています。

 生理が重いなどの症状が強くて日常生活に差し支える、妊娠しにくい原因になっている可能性があるなどの場合は治療が必要になります。

 今後妊娠の希望がある人は、子宮を取らない治療が必要になります。

 子宮を取らない場合は、また筋腫が大きくなって、再治療が必要になる可能性があります。

 子宮を取らない筋腫の治療法もいろいろありますが、それぞれの治療で再治療が必要になるリスクを調べた論文をご紹介します。

子宮を取らない子宮筋腫の治療

 子宮を取らない子宮筋腫の治療はいくつかあります。このサイトでもご紹介しています。

子宮筋腫核出術

 一番多く普通に行われているのが、手術で筋腫をくり抜いて取る筋腫核出術です。

 こちらで詳しく解説しています。

 よほど大きくなければ、小さな傷(腹腔鏡手術)で行うことが多いです。

子宮動脈塞栓

 子宮に流れていく動脈を詰めて(塞栓)、筋腫の血行を悪くして、筋腫を小さくする方法です。

 こちらで詳しく解説しています。

 子宮動脈塞栓をした後に妊娠分娩した報告もありますが、子宮動脈塞栓をすると妊娠しにくくなる可能性があります。

集束超音波

 集束超音波とはMRIで子宮筋腫の位置を確認しながら、子宮筋腫に超音波のエネルギーを集中させて、子宮筋腫を焼いてしまう治療法です。

 お腹に傷が残らず、麻酔の必要もないので日帰りの治療が可能です。

 治療後1年で、筋腫の大きさは半分くらいになることが多く、80%の人で症状が良くなると言われています。

 保険がきかない治療なので、費用は自己負担となり40~50万円くらいかかるようです。

 国内で子宮筋腫に集束超音波の治療を行なっているのは10数カ所くらいです。

子宮鏡手術

 子宮の中に飛び出している筋腫を子宮の入り口からカメラを入れて削り取る手術です。

 こちらで詳しく解説しています。 

 粘膜下筋腫は小さくても、生理が重くなったり、着床・妊娠のじゃまになりやすいです。

それぞれの治療で、再治療が必要になるリスク

 筋腫を治療した後、すぐにまた大きくなって1年以内に再治療が必要になるということは少ないです。

 それぞれの治療の再治療のリスクを表にまとめてみました。

1年後 3年後 5年後
核出術 1.1% 1.2% 12.2%
子宮動脈塞栓 3.6% 7.4% 14.4%
集束超音波 9.7% 34.7% 53.9%
子宮鏡手術 6.6% 3.2% 7.0%

 やはり核出術が再治療率が一番低いようです。

 集束超音波の再治療率が高いのが目立ちます。

 集束超音波はまだデータ数が少なく、どんな子宮筋腫でも効果があるわけではないので、集束超音波の治療に適した子宮筋腫に絞った治療を考えて、データを増やしていく必要があります。

妊娠しやすくするためにはどの治療?

 今のところはやはり標準的な治療は、核出術や子宮鏡手術などの手術療法ということになります。

 手術が難しい場合は他の治療を考えることになります。

 子宮動脈塞栓は、卵巣機能への悪影響・着床しにくくなる・妊娠後の合併症などの懸念があります。

 集束超音波は、卵巣や子宮の正常な部分には影響がなく、筋腫のみを治療するので、治療による妊娠への逆効果はないと思われます。だたし、まだ治療後妊娠しやすくなるかを含めて、妊娠への影響のデータが少なく、今後の解析が必要です。

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