精液検査の注意点
不妊で受診したカップルを検査すると、50%くらいで男性側に異常が見つかると言われています。
私の印象ではそこまで多くはないかと思いますが、不妊の検査の中で最も重要な検査のひとつであることは間違いありません。
検査をする時にはちょっとした注意点があります。
いつするの?検査のやり方
検査のための精子を取る前に2日から4日間の禁欲期間が必要です。短すぎると精子が少なくなりますし、長すぎると動きが悪くなったり、異常精子が増えてしまいます。
長く禁欲した方がいいと思う人が多いのですが、長すぎるのはかえってよくないです。
精液検査の結果はその時によってばらつきがあるので、間を開けて2回検査した方がいいです。最初の検査がよくなかったらからといってがっかりせず、もう1回検査してみましょう。
精子を取った後は、容器を人肌で(20~37度)で保管して、1時間以内(遅くとも2時間以内)に検査するのが望ましいです。
でもご主人の仕事の都合などで、2時間以内に病院に持ってくるのが難しいこともありますよね。実は、かなり時間が経っても大丈夫なことも多いです。とりあえず検査してもらってダメだったら次は2時間以内に検査してもらいましょう。
よくある失敗
冬など寒い時に冷えてはいけないと、カイロをあてて持ってくる方がいます。熱くなりすぎて精子が動かなくなってしまいますので気をつけてください。
正常範囲
精液検査では、量・数・動きなどを調べます。正常範囲は、
- 精液量:1.5ml以上
- 精子数(濃度):1ml中に1500万以上
- 総精子数:3900万以上(精液量×精子数)
- 精子運動率:40%以上
- 総運動精子数:1560万以上(総精子数×運動率)
- 正常形態精子率:4%以上
例えば1ミリリットルあたり100万個といわれたら、、、100万個って多いように思いますが、実際はとても少ない状態です。普通に妊娠する可能性はかなり低いです。
一番重要なのは総運動精子数(射精され精液全部の中に精子が何匹いるか)です。
精子運動率が多少悪くても精液量が多ければ、総運動精子数は多くなるので大丈夫ということになります。
精子が正常値でなかったとしても絶対に妊娠しないわけではありません。ただし、妊娠する確率は程度によって低くなっていくと考えられます。
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