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精子の数が少なくなって2040年に人類が滅亡する?

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約50年で精子の数が半分になった

 ヒューマン・リプロダクション・アップデートという、不妊の分野ではかなり権威のある雑誌の2017年7月号に「約50年の間に精子数が50~60%少なくなった」という論文が出ました。

 海外ではBBCやCNNでも取り上げられていて、ネットニュースにもなっていましたね。

 ちなみに、このサイトでもヒューマン・リプロダクション・アップデートに出ているデーターを多く参考にしています。

 精子の数の平均値が少なくなってきているという論文は以前からありました。しかし、昔と今は精子の数の測り方が違っていたりして正確に比べることはできないなどの問題があって、本当に精子の数が少なくなっているのかは、未だに議論されています。

 今回の多くの論文をまとめた報告によって精子が少なくなっていることが証明されたことは、かなりのインパクトがありました。

 実際の論文の内容を見てみましょう。

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どんな人の精子を調べたのか

 1981年から2013年の間に発表された185の論文の、42,935人の男性の精子のデーターを使っています。国籍は50カ国からなり、北米、欧州、オーストラリア、ニュージーランドなどの西洋人のデーターが72%、それ以外が28%となっています。

 精子数は、人が目で見て数えるのではなく、機械で測ったデーターを採用しています。

 昔と今で評価の仕方が違うので、精子の運動率や奇形率などの比較はしていません。

結果は

 西洋人の男性は、精子濃度が1973年は9900万/mlだったのが、2011年には4710万/mlであり、マイナス52.4%となっています。総精子数も3億3750万から1億3750万と、マイナス59.3%になっています。

 西欧以外の南米、アジア、アフリカなどの男性は、1986年から2010年の変化が、精子濃度が7270万/mlから6260万/ml、総精子数が2億1240万から1億6730万になっていて、大きな減少はないようです。

精子が少なくなっている原因は

 精子が少なくなっている原因は、さまざまな説があります。環境ホルモン・肥満・温暖化・喫煙・ストレス・食生活などです。これらの原因が重なり合って、精子の数が少なくなっているのではないかと考えらえれます。

本当に精子は少なくなっているの?

 この研究で検査を受けている男性は、もちろん不妊で受診した男性というわけではなくて、子供がいるいないは関係なくボランティアとして精子検査を受けた人たちです。

 ただし、ボランティアとして精子検査を受けた人は、子供ができにくいなど自分の精子を気にしていた人が多く含まれてしまう可能性があることが指摘されています。

 とはいえ、今回の報告は、機械で測ったデーターのみを採用してること、精子の数が半分と明らかに少なくなっていることから、かなり信憑性があると思われます。

人類は滅亡するのか!

 精子総数は1年で530万ずつ少なくなっていて、少なくなるペースは最近も衰えていないと報告されています。このペースで行くと2040年頃には精子がゼロになってしまいます。

 もちろん、このままのペースが続いてゼロになってしまうということはないと思います。万一精子がどんどん少なくなっても、顕微授精もあるので精子のせいで人類が滅亡することはないと思います。でも、子供がみんな顕微授精で生まれる世界というのも怖いですね。

 精子が減少するのはさまざまな原因が考えられます。これらの原因をなくすことで人類が滅亡しないように努力しましょう。

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