潰瘍性大腸炎と葉酸は深い関係があります
潰瘍性大腸炎は年々増えている病気で、約750人に1人が潰瘍性大腸炎と診断されています。女性の場合25~30歳で発症することが多いです。妊娠を考えている年齢層に多い病気と言えます。
潰瘍性大腸炎の人は、葉酸が不足していることが多いので、妊活を考えたら早めに葉酸サプリを飲み始めることをオススメします。
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潰瘍性大腸炎の人は葉酸不足
2017年に発表された多くの論文をまとめた研究で、潰瘍性大腸炎の人はそうでない人と比べて、血液中の葉酸が明らかに低いことが報告されました。
潰瘍性大腸炎の人が葉酸が不足する理由としては
- 食事による摂取が不足しがち
- 葉酸の消費が増えている
- 下痢などにより葉酸の吸収が悪くなる
- 薬による活性化障害
などが考えられています。
葉酸が不足していると、妊娠した時に胎児の神経管閉鎖障害のリスクが高くなることが考えられますが、潰瘍性大腸炎の人の胎児に神経管閉鎖障害が多いというデータは確認できませんでした。
潰瘍性大腸炎の薬が葉酸不足の原因になるのか
潰瘍性大腸炎の治療薬のうちサラゾピリンという薬は葉酸の活性化をじゃまするので、葉酸が働きにくなってしまいます。
一方、ペンタサ、アサコール、リアルダなどは葉酸の活性化をじゃまする作用はないと考えられています。
サラゾピリンを使っている人は、妊活の際には葉酸を1日2mg取ることが推奨されています。ふつうの葉酸サプリよりかなり多い量が必要です。
日本では病院でフォリアミンを処方してもらうことになるかと思います。
ペンタサ、アサコール、リアルダなどを飲んでいる人はフォリアミンを併用する必要はありません。
潰瘍性大腸炎の原因としての葉酸
葉酸は腸の粘膜の再生・修復に重要な働きをしています。葉酸が不足すると、粘膜に炎症が起きやすくなります。すなわち葉酸の不足が潰瘍性大腸炎を悪化させる可能性があるのです。
潰瘍性大腸炎の人は葉酸が不足していると言いましたが、逆に葉酸が不足しているから潰瘍性大腸炎が進んでしまっているという可能性もあるのです。
葉酸は潰瘍性大腸炎の人が大腸がんになるのを予防するかも
大腸の広い範囲に潰瘍性大腸炎のがある人は、発症から年月がたつと、大腸がんになるリスクがかなり高くなると言われています。
2017年に発表された4500人のデータをまとめた論文によると、潰瘍性大腸炎の人が葉酸サプリを飲むことによって、大腸がんのリスクを40%くらい減らすことができたと報告しています。
大腸がんの予防のために葉酸サプリを飲んだ方がいいという意見もあります。
産婦人科医の目線からオススメしているのはゲンナイ製薬株式会社のプレミンです。
価格を考えた場合、株式会社エーエフシーのmitete葉酸サプリもオススメです。
詳しい解説はこちらを参照してください。
まとめ
潰瘍性大腸炎の人は葉酸が不足がちになるので、妊活を始めたら早めに葉酸サプリを飲んだ方がいいです。
サラゾピリンを飲んでいる人は、病院でフォリアミンを処方してもらうといいと思います。