ビタミンDは精子の動きをよくする
こちらの記事で、ビタミンDと女性の不妊症の関係を解説しました。ビタミンDは多嚢胞性卵巣症候群の体質を改善したりAMHを高くする働きがあると考えられています。
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ビタミンDのサプリでAMHが高くなるって本当?
ビタミンDは妊活に関係してます。特に多嚢胞性卵巣症候群の人は気をつけてください。 ビタミンDといえば日光浴をすると増えて、骨を丈夫にする働きをしているというイメージですよね。 実は、ビタミンDは、 …
男性の場合はどうでしょうか?
精子の状態とビタミンDには関係があるのか解説します。
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ビタミンDと精子の状態
精子・精子の元になる細胞・睾丸の精子の周りにある細胞などにはビタミンDが付くビタミンD受容体があります。なので、ビタミンDは精子の状態に影響していると考えられていました。
動物実験でも、ビタミンD受容体がないマウスを作ったら、精子の状態が悪かったという報告や、マウスにビタミンDを与えないと精子の状態が悪くなるという報告があります。
実際に人の場合はどうかというと、ビタミンDが少ないと精子の状態、特に精子の動きが悪くなるという報告が多いです。ビタミンDが多くなるほど精子の状態がよくなるという報告と、ビタミンDが増えすぎるとかえってよくないという報告があります。それぞれが半々くらいなので、今のところどちらが正しいかはっきりしていません。
男性のビタミンDと妊娠率
男性のビタミンDの値と妊娠率を調べた研究はまだほとんどありません。
2015年のイタリアの論文では、ビタミンDが正常な男性36人、ビタミンDが低い男性54人の不妊症カップルをタイミング療法で治療したところ、男性のビタミンDが正常なカップルの妊娠率は28%、男性のビタミンDが低いカップルの妊娠率は9%だったと報告しています。
あまり症例数の多い論文ではないので、信頼性は高くありませんが、ビタミンDは精子の受精能力に関わっていると考えられるので、ビタミンDが低いと受精能力が落ちて、タイミング療法では妊娠しにくくなる可能性が考えられます。
ビタミンDのサプリで精子は増えて妊娠しやすくなるか
ビタミンDのサプリが男性不妊に効果があるかに関しては、まだほとんど論文がありません。
デンマークでビタミンDのサプリの男性不妊に対する効果についての大規模な研究が行われているので、その結果が待たれます。
まとめ
ビタミンDは精子の運動能力や受精能力に重要な働きをしていると考えらえます。
ただし、実際にビタミンDのサプリが男性不妊に効果があるかはまだわかっていません。
ビタミンDは骨を強くするだけでなく、癌の予防に効果がある可能性も指摘されています。
食事、日光浴、サプリメントなどでビタミンDが不足しないように気をつけましょう。