ビタミンDは妊活に関係してます。特に多嚢胞性卵巣症候群の人は気をつけてください。
ビタミンDといえば日光浴をすると増えて、骨を丈夫にする働きをしているというイメージですよね。
実は、ビタミンDは、卵胞の発育、子宮の発育、ホルモンの合成など妊活にも関係している可能性が考えられています。
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ビタミンDと体外受精の妊娠率
ビタミンDが低い人は体外受精の妊娠率が低いという論文が2010年に発表されました。ビタミンDに注目が集まって、多くの追加研究がされました。しかし、追加研究ではビタミンDの値と体外受精の妊娠率には関連がなかっというものが多く、複数の論文をまとめた研究でも関連はなかったとされました。
ビタミンDのみで体外受精の妊娠率まで影響するほとのインパクトはないのかもしれません。
ビタミンDと多嚢胞性卵巣症候群
ビタミンDはインスリン抵抗性の改善や、メタボリックシンドロームの予防に効果があると言われています。
インスリン抵抗性?どこかで聞いたことがありますね。
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多嚢胞性卵巣症候群とビタミンDはなにか関係がありそうな気がします。
多嚢胞性卵巣症候群のビタミンD
多嚢胞性卵巣症候群の人はそうでない人と比べてビタミンDが少ないという論文がいくつがあるのですが、多くの論文をまとめた報告では、はっきりとした差はなかったようです。
ただし、多嚢胞性卵巣症候群の中でも、ビタミンDの低い人はそうでない人と比べて、インスリン抵抗性や、コレステロール関連の検査の結果が悪いと報告されています。
やはり、ビタミンDと耐糖能異常やメタボリックシンドロームには関係がありそうです。
ビタミンDと排卵・妊娠
多嚢胞性卵巣症候群の人は、ビタミンDが低ければ低いほど、クロミッドによる排卵率や妊娠率が低くなるという報告があります。
ビタミンDのサプリは効果があるか
多嚢胞性卵巣症候群でビタミンDが低い人にビタミンDのサプリメントを使うと、インスリン抵抗性やコレステロール関連の検査が良くなるという報告がいくつかあります。これも、あまり変わらないという報告もあって、はっきりとしてた結論は出ていません。
ビタミンDのサプリメントを使うと排卵しやすくなるかに関しては、少し排卵しやすくなるという論文が多いですが、大きな差はないようです。
ビタミンDとAMH
細胞や動物の実験でビタミンDはAMHを作らせる働きがあるというデーターがあります。実際に人でもビタミンDを飲み始めると数日でAMHが20%くらい高くなるという報告があります。
AMHが高ければ、原始卵胞が消滅するの防いで、卵巣予備能が低くならないようにすることができるかもしれません。
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まとめ
ビタミンDは多嚢胞性卵巣症候群の体質改善とそれによって排卵しやすくなることに役立ちそうですね。
AMHを高くする効果もありそうですが、それによって実際の妊活にどんなメリットがあるのかは今の段階では不明です。
ビタミンDはもちろん骨を丈夫にするし、妊娠中にビタミンが不足すると、妊娠糖尿病・低出生体重・早産などのリスクが高まる可能性が指摘されています。特に冬はビタミンDが不足しがちです。食事、日光浴、サプリメントなどでビタミンDが不足しないように気をつけましょう。